心臓から送り出された血液は、筋が収縮するポンプの力を借りて戻ってくることで循環しています。
人間の身体の中で流れている血液について
量はどのぐらい?
平均的には体重1kgにつき約80mlあると言われています
(例)体重50kg×80ml=4000ml
2種類の血管
人間の身体には、大きく分けて2樹類の血管があります。
□動脈(酸素や栄養素が豊富な血液)
心臓から身体の末端方向へ流れる
□静脈(二酸化炭素や老廃物などを多く含んだ血液)
身体の末端から心臓方向へ流れる
血液は筋ポンプの力を借りて戻る
静脈の特徴
静脈は、動脈と違って、血管壁が薄く、筋も少ないため自ら収縮できません。
骨格筋(筋肉)のポンプ作用
静脈が心臓に血液を戻すことができるのは、骨格筋(筋肉)のポンプ作用で、骨格筋の収縮と弛緩に合わせて、心臓に押し戻されます。
運動でより多くの血液を心臓に戻す
心臓より低い位置にある部位では、重力に逆らって血液を心臓に戻さなければならないので、歩くなどの運動は、筋を収縮させ、より多くの血液を戻すことができます。
安静時の血液配分
□肝臓=約25%
□腎臓=約20%
□骨格筋=約15%
□脳=約15%
運動時の血液配分
□肝臓=約25%より下がる
□腎臓=約20%より下がる
□骨格筋=約15%から一気に約80%
□脳=約15%から変わらない
運動時には、骨格筋に酸素や栄養素を普段よりもより多く供給する必要があるため、心臓から動脈を通して送り出された血液、いわゆる心拍出量は一気に上がります。運動時の筋血流は,安静時の最大 20 ~ 30 倍に上昇するといわれます。
運動することで血管への効果
適度な運動は全身の血行を促進し、さまざまな健康効果があります。
血管が強くしなかになる
血液が血管の中をスムーズに流れると、血管の内側の細胞にほどよい刺激が加わり活性化されます。その結果、血管が強くしなやかになっていきます。
心臓への効果
運動をすると、心拍数が増えて血流が増加し、血管が広がります。血管が広がると血圧が下がります。血圧が下がると心臓への負担が減ります。心臓に大きな健康効果があります。
動脈硬化を予防
運動すると、善玉と呼ばれるHDLコレステロールが血液中に増えて、血管の壁にたまった悪玉コレステロールを回収して、動脈硬化を進みにくくするといわれます。
むすび
強くしなやかな血管を維持するには運動の習慣化が大切です。1週間に一度は汗をかくような運動をしましょう。